木簡レシピと復元須恵器による長屋王の酒醸造プロジェクト
画像提供:奈良文化財研究所提供
木簡レシピと復元須恵器による長屋王の酒醸造プロジェクト
画像提供:奈良文化財研究所提供
※ このお酒は非売品です。
時は奈良時代8世紀初頭。当時の権力者の長屋王邸では、大甕(須恵器)を用いた酒造りが行われていました。
現代から遡ること1300年前の貴族のお酒造りがどのようなものだったのか、どの様な味わいであったのか、興味が尽きません。
2021年8月、油長酒造株式会社(油長酒造)は、独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所(奈文研)と 文化財の保護と普及啓発に関する協定書を締結しました。
これは、私達、油長酒造が現代の醸造家の視点や技術を応用して酒造りをおこないながらも、
奈文研が有する、平城宮跡出土遺物やその研究成果など古代の酒造に関連した様々な歴史的コンテンツを生かす共同事業を実施しながら、古代の技法に触れ、酒造をキーワードとして文化財に関する知識や関心の普及啓発を促進しようとするものです。
この協定書の締結を記念し、2021年11月11日には、平城宮跡資料館において、様々な専門分野からなる領域横断型の研究集会「日本酒と日本料理の過去・現在・未来を考える」を開催しました。
現在、油長酒造と奈文研のパートナーシップのもとで、出土木簡に記された醸造レシピに基づいた模造須恵器による古代酒の醸造実験を、龍谷大学や東京医療保健大学との遺伝学的・文献史学的な共同研究をもり込みつつ進めている他、平城宮跡出土土器の見学会,寒風須恵器窯(岡山県瀬戸内市)の見学会,ジョージアにおける素焼き壺クヴェヴリによるワイン醸造に関するセミナー開催など、研究活動を積極的に推進しています。
復元須恵器 by Akiko_NAKAMURA on Sketchfab
現在このプロジェクトでは、合計3回の醸造実験を終えました。
木簡に記されたレシピを参考に、白米と赤米それぞれを復元された須恵器を用いて醸造いたしました。
現代からおよそ1300年の時を遡り、当時醸されていたお酒を復元しました。
奈文研の協力のもと、木簡から当時の仕込み配合を読み解き、木簡に記されてある麹歩合と、室町時代の文献に記されてある麹歩合は、同じである事がわかり、先人の知恵は奈良時代から確立し受け継がれていたことが伺えました。
また、今回赤米での醸造も行いましたが、十分に美味しいお酒を造ることができました。
白米を用いたお酒との特性の違いについては、まだわからない点も多く、今後明らかにしていきたいと思います。
引き続き奈文研とのパートナーシップのもと、古代の酒造りの秘密を解き明かし、日本酒醸造技術の現代にまで繋がる一連の流れを技術的に会得していきたいと思います。
※ このお酒は非売品です。
時は奈良時代8世紀初頭。当時の権力者の長屋王邸では、大甕(須恵器)を用いた酒造りが行われていました。
現代から遡ること1300年前の貴族のお酒造りがどのようなものだったのか、どの様な味わいであったのか、興味が尽きません。
2021年8月、油長酒造株式会社(油長酒造)は、独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所(奈文研)と 文化財の保護と普及啓発に関する協定書を締結しました。
これは、私達、油長酒造が現代の醸造家の視点や技術を応用して酒造りをおこないながらも、
奈文研が有する、平城宮跡出土遺物やその研究成果など古代の酒造に関連した様々な歴史的コンテンツを生かす共同事業を実施しながら、古代の技法に触れ、酒造をキーワードとして文化財に関する知識や関心の普及啓発を促進しようとするものです。
この協定書の締結を記念し、2021年11月11日には、平城宮跡資料館において、様々な専門分野からなる領域横断型の研究集会「日本酒と日本料理の過去・現在・未来を考える」を開催しました。
現在、油長酒造と奈文研のパートナーシップのもとで、出土木簡に記された醸造レシピに基づいた模造須恵器による古代酒の醸造実験を、龍谷大学や東京医療保健大学との遺伝学的・文献史学的な共同研究をもり込みつつ進めている他、平城宮跡出土土器の見学会,寒風須恵器窯(岡山県瀬戸内市)の見学会,ジョージアにおける素焼き壺クヴェヴリによるワイン醸造に関するセミナー開催など、研究活動を積極的に推進しています。
復元須恵器 by Akiko_NAKAMURA on Sketchfab
現在このプロジェクトでは、合計3回の醸造実験を終えました。
木簡に記されたレシピを参考に、白米と赤米それぞれを復元された須恵器を用いて醸造いたしました。
現代からおよそ1300年の時を遡り、当時醸されていたお酒を復元しました。
奈文研の協力のもと、木簡から当時の仕込み配合を読み解き、木簡に記されてある麹歩合と、室町時代の文献に記されてある麹歩合は、同じである事がわかり、先人の知恵は奈良時代から確立し受け継がれていたことが伺えました。
また、今回赤米での醸造も行いましたが、十分に美味しいお酒を造ることができました。
白米を用いたお酒との特性の違いについては、まだわからない点も多く、今後明らかにしていきたいと思います。
引き続き奈文研とのパートナーシップのもと、古代の酒造りの秘密を解き明かし、日本酒醸造技術の現代にまで繋がる一連の流れを技術的に会得していきたいと思います。